1992 年 18 巻 3 号 p. 145-152
市販のパーティクルボード4種及び中質繊維板1種を用いて,吸湿条件下に1週間,脱湿条件下に1週間静置する処理を120週間繰り返し,環境の変化に長期間暴露した場合の木質ボード類の材質変化及び劣化のメカニズムを検討した。
吸脱湿によるパーティクルボードの厚さ変化は,含水率変化1%に対し0.6%となった。曲げヤング係数は低下するが,約2割程度の減少を下限とし,それ以上の低下はないものと推察された。
パーティクルボードの曲げ剛性は,処理の初期には吸湿時に低下するのに対して処理の後期には吸湿時に上昇する傾向が確認された。これは,ボードの劣化速度が処理回数とともに小さくなり,強度低下が一定の値に収束する根拠となる。また,変化が逆転する時期はボードの種類により差が見られた。
繰り返し処理後の性能の低下は,曲げよりもはく離強さの方が大きく現われた。