木材保存
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表面処理(途布・浸せき)用木材防腐剤の防腐効力試験に適した木材試片の形状について
中村 嘉明
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1978 年 1978 巻 12 号 p. 18-26

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抄録

表面処理用木材防腐剤の防腐効力試験に適した木材試片の形状を検討するため、木口、まさ目、板目各面の寸法の比率を変えて、その体積が4cm3の種の形状の試片を、スギとブナ材により作成して試験を行なった。
表面処理剤はクレオソートを用いぐ目的吸収量を決めて浸せき処理し、オオウズラタケ、I.A.F 6137により2~3ケ月間の抗菌操作を行なった。培養条件、結果の求め方などJIS A9302準拠した。他の試験条件として、試片の木口シールの有無、溝切加工による未処理部分の露出の有無、耐候操作0回、10回の実施などを加えて、それらの影響についても検討した。
その結果、
1.形状と寸法はA型(幅0.5×高1.3×長6.0cm)とB型(0.5×2.0×4.0)が適確な重量減少率が得られることが判明した。その結果に他の試験実施上の諸条件を加えて比較検討して、B型が最も適した形状であると判断した。
2.木口シールは薬剤吸収量や重量減少率のバラツキを少なくし、適確な試験結果を得る効果的な処理である。
3.耐候操作は薬剤や方法等が異なると適確な結果が得られないなど問題が多い。
4.溝切加工は小試片を用いる試験においてはさほどの重量減少に影響を及ぼさないので試験条件として考慮する必要は認められない。

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