木材保存
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燻煙熱処理によるスギ材の薬剤浸透性の改良
安藤 實石栗 太横田 信三吉澤 伸夫
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2001 年 27 巻 5 号 p. 208-215

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抄録

本研究では,スギ丸太を材温80℃,40時間で燻煙熱処理を行い,壁孔壁の破壊率を測定した。また熱処理後,市販の難燃剤で減圧注入処理し,重量増加率を求め,薬剤の浸透性を評価した。さらに,作製した難燃材の難燃性及び材質特性を評価した。燻煙熱処理により,破壊された壁孔壁の割合は,心,辺材ともに増加した。減圧注入処理による重量増加率は,燻煙熱処理心材において大幅に増加する傾向が認められた。燃焼試験後の重量残存率は,減圧注入時の減圧度の増加と共に増加した。また,曲げ強さについては,薬剤注入による大幅な変化は認められなかったが,曲げヤング率は,重量増加率の増加にともなって増加する傾向が認められた。

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© 社団法人日本木材保存協会
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