抄録
木質構造の広義の構造設計として初期耐力設計,耐久設計,耐用後設計を想定し,今後取り組むべき課題について考察した。主要な課題は下記の通りである。
1. 初期耐力設計
1)適切な構造モデル化,2)部材と接合部の耐力バランス,3)半剛節構造計算の実用化,4)水平耐力の合理的加算,5)施工係数の評価,6)用途,危険度評価に基づく目標耐力設定,7)構造各部と構造全体の動的挙動の解明,8)許容耐力設計と終局耐力設計の明確化。
2. 耐久設計
1)腐朽の進行抑制,2)腐朽危険度に配慮した構造計画,3)維持管理を考慮した初期設計,4)残存耐力の推定。
3. 耐用後設計
1)部材劣化を考慮した補強設計,2)再利用を想定した初期設計。