木材学会誌
Online ISSN : 1880-7577
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総説
  • 福田 聡史
    2026 年72 巻1 号 p. 1-5
    発行日: 2026/01/25
    公開日: 2026/01/29
    ジャーナル フリー

    紫外線波長の短パルスレーザによる微細加工を木材への穴開け加工に応用した。木材への加工においては,加工効率,加工形態に及ぼす波長依存性が顕著であり,UV波長(355 nm)のレーザの優位性を見出した。これによって得られる極めてアスペクト比の高い穿孔を,レーザマイクロインサイジングとして応用することで,表面への機能付与や液体の浸透性の向上など,様々な検討を行ってきた。本報では初めに,木材のレーザ加工について,過去の経緯とその研究例を整理し,それらとの装置面での相違と,その違いが加工形態に及ぼす影響を解説した後に,レーザマイクロインサイジングの応用例を紹介しその可能性を展望する。

カテゴリーI
  • 丸山 莉生, 河村 健太, 土井 巌, 小美野 絢子, 中田 了五, 半 智史, 船田 良
    2026 年72 巻1 号 p. 6-13
    発行日: 2026/01/25
    公開日: 2026/01/29
    ジャーナル フリー

    ヒノキ (Chamaecyparis obtusa) は,最高品質の建材であり,日本の人工林面積の25%を占める重要な造林樹種である。持続的なヒノキ苗木の植林には,大量増殖法が必要である。本研究では,成熟種子胚由来カルスからの不定芽形成による植物体再生系の確立を目的に実験を行った。胚を2,4-ジクロロフェノキシ酢酸 (2,4-D) と6-ベンジルアミノプリン (BAP) を含む改変Campbell and Durzan培地に植え付けると,緑色カルスが誘導された。緑色カルスを暗条件から明条件へ移すと,不定芽および多芽体が形成された。多芽体からシュートを切り離して植物ホルモン無添加の培地で培養するとシュートが伸長し,その後インドール-3-酪酸 (IBA) を0,3,6 µM含む培地に移植すると全ての培地で発根が認められた。植物体を土壌に移すと正常な生育が観察され,植物体再生に成功した。

カテゴリーIII
  • 東原 貴志, 佐藤 ゆかり, 佐藤 正直, 村田 功二, 児嶋 美穂, 井上 真理子, 保坂 路人, 石黒 成紀, 伊藤 圭
    2026 年72 巻1 号 p. 14-20
    発行日: 2026/01/25
    公開日: 2026/01/29
    ジャーナル フリー

    高校家庭科では,実践的・体験的学習活動のあり様やその充実に関する課題が指摘されており,住居の機能性の学習でも同様とされている。本研究では,高校生の関心が高い,生活居室の内装として木質フローリングを取り上げ,5項目の簡易な性能試験を開発した。試験の結果,醤油防汚試験と墨汁防汚試験は表面塗装の有無,鋼球落下試験は表面のプラスチック含浸処理の有無による機能性の違いが現れる試験方法であった。鉛筆硬度試験については,JISの試験方法を簡易化することができた。鋼球移動試験については,供試したフローリングについて耐傷性の違いを示す結果が得られた。いずれも特別な機器を用いることなく,高校家庭科の授業において生徒が容易に取り組むことができると考えられた。

  • 乾燥無垢スギ材抽出成分(テルペン類)試験法の室間共同試験による妥当性確認
    伊佐 亜希子, 藤田 弘毅, 芦谷 竜矢, 谷 和樹, 小藤田 久義, 井倉 則之, 加藤 政和, 須原 弘登, 光永 徹, 藤本 登留, ...
    2026 年72 巻1 号 p. 21-28
    発行日: 2026/01/25
    公開日: 2026/01/29
    ジャーナル フリー

    本研究では,スギ材に含まれる主要テルペン類を対象とした溶媒抽出-ガスクロマトグラフィ質量分析(GC-MS)分析試験法に関する室間共同試験の結果を報告する。測定対象成分の濃度が約1.0~8.0 g/kgとなるように調製した6種類のスギ材木粉試料を用いて,室間再現性の妥当性を検証した。12試験室から提出された測定値に対して外れ値検定および統計解析を行った結果,低~中濃度域の2試料ではHorRat値が妥当な範囲(0.5~2)に収まった一方,中~高濃度域の4試料では基準値を超過するばらつきが確認された。測定値のばらつきの一因として分析装置のメーカー間における仕様差の違いが示唆された。拡張不確かさ解析では,99.7%の信頼区間内にすべての測定値が収まっており,分析法として一定の信頼性が示された。本研究で実施した室間共同試験の結果から,スギ材に含有されるテルペン成分の定量的評価手法の標準化に資する基礎的知見が得られた。

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