木材学会誌
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一般論文
メヒルギ胎生種子の大きさの違いが植栽後の成長におよぼす効果
桝田 信彌福田 香織矢口 行雄本間 環
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2008 年 54 巻 2 号 p. 58-67

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抄録
本報告では,苗木生産に使用できる胎生種子の状態を明らかにすることを目的として,メヒルギ(Kandelia candel)胎生種子の大きさの違いおよび根原基形成が植栽後の発根や根およびシュートの伸長成長量の大きさにおよぼす効果について検討した。その結果,発根に必要な根原基は長さ 2 cm以上の胎生種子で確認された。また,胎生種子が大きくなるほど根原基数は増加し,根原基の長さや幅も増大した。さらに,胎生種子が大きくなるほど,発根本数は増加し,根およびシュートの伸長成長量も増加した。これらの現象は一般的な植物の種子の発芽および発根と類似していた。しかし,長さ 6 cm未満の胎生種子は生育過程で枯死した。これらを基に,長さ 8 cm以上の胎生種子では100%の発根率を示すことから,メヒルギの苗木生産に使用できるものと考えられる。
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© 2008 一般社団法人 日本木材学会
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