木材学会誌
Online ISSN : 1880-7577
Print ISSN : 0021-4795
ISSN-L : 0021-4795
一般論文
1964年新潟地震における木材による液状化対策事例
沼田 淳紀吉田 雅穂濱田 政則
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 55 巻 5 号 p. 305-315

詳細
抄録

温室効果ガス削減の一方策として,木材利用を拡大するとともに木材を長期利用することが考えられる。このために建築の分野では,耐久性の長い住宅建設の取り組みなどが既に行われている。一方,土木の分野では,本体工事に木材を使うことはほぼ皆無となってしまった。著者らは,地盤の液状化対策として木材を地中に打設することを考えている。本論文では,この内,木材を利用する上で大きな誤解が持たれている木材の耐久性について検討を行った。まず,代表的な設計書に示される木杭基礎の変遷を示し,現在ではこれらの設計書から木杭の記載が姿を消したことを示す。次に,木材の腐朽に関する文献調査結果から,地中における木材の耐久性について示す。さらに,1964年新潟地震の事例より,木杭が液状化対策として用いられた事例を示し,最後にそれによる炭素貯蔵効果を示す。

著者関連情報
© 2009 一般社団法人 日本木材学会
前の記事 次の記事
feedback
Top