木材学会誌
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カテゴリーII
促進劣化試験および屋外曝露試験で評価した木材保存剤処理集成材の接着耐久性(第1報)
促進劣化試験で評価した接着耐久性
柳川 靖夫増田 勝則
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2011 年 57 巻 4 号 p. 211-222

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抄録

屋外曝露試験と促進劣化試験とを関連付けるため,および木材保存剤が接着耐久性に及ぼす影響,あるいは試験片寸法,密度,接着剤が接着耐久性に及ぼす影響を調べるため,ラミナを5種類(ACQ,E-NCU,CUAZ2,E-NZN,AAC)の木材保存剤(薬剤)で処理して作製した5プライのスギ集成材から幅10mmおよび25mmの小試験片を採取し,促進劣化試験として煮沸繰り返し試験および減圧加圧繰り返し試験(処理回数:2,5,10,20回)を行った。その結果,せん断強度の低下の度合いと薬剤間でせん断強度に差が生じることとは必ずしも対応しておらず,促進劣化試験前には25mm幅>10mm幅および高密度>低密度であったせん断強度は,促進劣化試験後に10mm幅>25mm幅となり,密度間でのせん断強度の差は消滅する傾向が見られた。木部破断率の判定に際し,接着層が確認できない破断部分を深木部破断と規定した深木部破断率は2回の促進劣化試験により増加した。

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© 2011 一般社団法人 日本木材学会
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