2014 年 60 巻 6 号 p. 336-345
ヒノキ-スギ-ヒノキ及びアカマツ-スギ-アカマツの3層3プライで構成した2種類の異樹種3層直交集成板(CLT)を製造した。丸太の動的ヤング係数(Efr)あるいはひき板の節区分と幅はぎ板の曲げヤング係数(MOE)との関係,異樹種3層CLTのMOEについて検討した。その結果,全ての樹種で丸太のEfrと幅はぎ板のMOEとの間には強い正の相関関係が認められた。ひき板の節区分に基づいて幅はぎ板のMOEの平均値を比較すると,スギとアカマツでは無節・上小節の幅はぎ板の方が小節や抜け節の幅はぎ板よりも大きく,有意差が認められた。異樹種3層CLTはスギ3層CLTと比較してMOEが明らかに大きかった。また,異樹種3層CLTとヒノキあるいはアカマツの3層CLTを比較すると,気乾密度は異樹種3層CLTの方が小さく有意差が認められたが,MOEには著しい差異が認められず,ほぼ等しかった。