短尺低質丸太の有効利用を目的とし,ホットメルト接着剤によりスカーフたて継ぎした強軸方向単板を用い,24mm厚9層9プライ合板を試作し,接着せん断性能・層内せん断性能・曲げ性能にたて継ぎが与える影響について検討した。接着せん断性能は,たて継ぎを有する単板が多いほど低下する傾向を示した。曲げ性能は,表層単板にたて継ぎを含む仕様では,低下するものがみられた。表層単板にたて継ぎを含まない仕様においては危険率5%で有意な影響はみられず,構造用合板のJAS規格に合致する性能が得られた。平行層理論から算出した単板たて継ぎの接合効率は全単板にたて継ぎがある仕様では弾性係数で60%,強度で35%と低い値を示した。表層単板にたて継ぎを含まない厚物合板は,実用可能な曲げ性能を有していた。