2016 年 62 巻 5 号 p. 190-197
カラマツ建築用材生産時の歩留まりを向上させることを目的として,人工乾燥によって出現するねじれ,曲がり,縦反りを考慮に入れて必要製材寸法を求める手法を開発した。また,目標含水率を10%及び20%としたカラマツ心持ち正角材で乾燥後のねじれ,曲がり,縦反りを測定し,105mm正角材を生産するために必要となる製材寸法を開発した手法を用いて算出した。どちらの含水率条件でも必要製材寸法には曲がりと縦反りよりもねじれの影響が大きく反映された。また,加工歩留まりを最大化する理論的な製材寸法は目標含水率10%供試材では123.9mm,目標含水率20%供試材では118.8mmと算出され,そのとき修正加工時に歩切れなく加工できる本数は全体の98%になると推測された。