2017 年 63 巻 2 号 p. 98-107
歩行を加振源とする床の鉛直振動と感覚評価との関係の検討を行い,床の応答加速度と知覚確率,鉛直方向の周波数重み付け加速度レベルとアンケート調査結果および床のたわみ,固有振動数との関係を調べた。床の応答加速度の値3~4cm/s2を上回ると,アンケートで振動を「感じない」と答えた人以外の割合が100%,また,鉛直方向の周波数重み付け加速度レベルが65dBを下回ると,歩行振動を許容できる人の割合が65%以上となった。本研究では歩行振動に対する木造大スパン床の設計目標を提案できる可能性が示された。床の設計目標(仮)を65dBとすれば,変形増大係数あるいはクリープ変形係数を考慮したスパンに対するたわみの比を建築基準法で1/500,木質構造設計規準で1/600とし,1次の固有振動数を12Hzとすればよい。ただし,床の1次固有振動数は9.5~12.5Hzの範囲とする。