2017 年 63 巻 5 号 p. 214-222
建設工事では建設副産物が副次的に得られ,アスファルトやコンクリート塊,建設発生木材など再生資源として活用できる物品が含まれている。なかでも,建設発生木材は資源の有効利用と廃棄物の抑制,環境保全の観点から再資源化を目指すべきであるが,具体的な利用先や方法が規準化されていないため産業副残物として処理される場合が多い。一方,ほぼ未加工の丸太を大量に使用する新たな消費先として地盤改良を目的とした木材の地中利用が提案されているが,建設発生木材は強度や健全性が不明確であることから利用されるケースはほとんどない。本研究では,建設発生木材の地盤改良への再利用を目指し,常時水面下に設置していた土木利用木材の強度や健全性を評価し,再利用が可能な建設発生木材を現場に居ながら判定するための簡易な判別法を提案した。