木材学会誌
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カテゴリーI
耐腐朽性,耐蟻性を保持したスギ板材の迅速な新規人工乾燥法の検討
服部 武文橋本 茂三好 悠野路 征昭梅山 明美吉村 剛アンディ ・ヘルマワン藤本 登留
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2021 年 67 巻 2 号 p. 73-85

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抄録

スギ板材の,新しい迅速な人工乾燥条件の開発を目的に,スギ生材を製材した板材を乾球温度(DBT)50℃,70℃,90℃,乾湿球温度差(ΔT)5℃,10℃,20℃を組み合わせた,9種類の条件で,含水率15%まで乾燥させた。要した時間はDBT 90℃,ΔT 20℃が最短であった。本条件で乾燥された板材は天然乾燥や他の人工乾燥条件に対し強度性能の違いは見られず,材色変化も実用上問題は無かった。本条件で乾燥されたスギ板材は,木材腐朽菌オオウズラタケに対する耐腐朽性,イエシロアリに対する耐蟻性は,天然乾燥されたスギ板材と同等であった。cadinol類の相対含有濃度とオオウズラタケを用いた耐腐朽性試験における質量減少率とは,高い負の相関が認められた。以上の結果は,耐腐朽性,耐蟻性を保持したスギ板材の乾燥スケジュールの改善につながると思われる。

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© 2021 一般社団法人 日本木材学会
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