2025 年 71 巻 4 号 p. 153-164
古材の強度特性と強度推定方法を検討するための基礎資料の収集を目的とし,製材後約500年経過した解体材を用い,アカマツ (Pinus densiflora) 及びヒノキ (Chamaecyparis obtusa) を対象に動的ヤング係数の測定及び実大材と無欠点小試験体の強度試験を行った。実大材の動的ヤング係数と静的ヤング係数の間と,各ヤング係数と曲げ強度には正の相関が認められ,ヤング係数の測定が曲げ強度推定に有効なことが示唆された。無欠点小試験体の強度試験結果は,古材アカマツの曲げ強度が新材アカマツと比較して39.2%低く,縦圧縮強度は同程度となった。古材ヒノキは少試験体数であり限定的結果だが,既往研究のヒノキ材の結果と比較し曲げ強度が29.5%,縦圧縮強度が53.5%高い値を示した。これらの知見は,今後の古材評価の基礎資料として有用であり,解体材の適切な再利用に資する情報となることが期待される。