抄録
造船・橋梁など重要構造物の製造工程において、各種の熱切断が多用され、製造プロセス全体の中でも重要な技術の一つとなっている。切断方法としては、最近、プラズマ切断やレーザ切断などが急速に普及しつつあるが、特に中厚板を中心として、現場作業では依然としてガス切断の占める割合は大きい。ガス切断において、その切断品質や作業能率は各種パラメータによって大きく変化するが、予熱炎の燃料ガス種も適切に管理すべき項目である。近年、燃料ガスとして水素を用いたガス切断が注目されているが、そのメリットや適切な利用法などについて、他の予熱炎と比べて、定量的な評価が十分に報告されていない状況である。本報では、予熱炎として、水素-プロパン混合ガスに着目し、その成分比による予熱炎の各種性質への影響について述べる。