2005 年 74 巻 1 号 p. 2-11
需要者のコントロール感に着目し、水道水質に関するリスク情報とリスク認知構造との関係に ついて分析した。その結果、コントロール感を付与した情報は、コントロール感を付与していない情報 よりも、不安度が増大する一方で、未知度を低減させる傾向があることを明らかにした。また、因子分 析を用いて情報提示前後における認知リスクの変動をとらえ、この変動に対するコントロール感の付与 による影響を明らかにした。その結果、リスク情報の提供が、意図したこととは逆に、需要者の不安感 をあおる結果になりかねないが、コントロール感を付与した形での情報提供がひとつの有効な情報公開 手法である、といえた。