水道協会雑誌
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「事例報告」
最近の感染確率に基づく、水道水からクリプトスポリジウムを除去・不活化する目標の再計算
泉山 信司
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2020 年 89 巻 8 号 p. 2-7

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抄録

水様下痢の原因であるクリプトスポリジウムは塩素消毒に抵抗性があり、水道水を介した散発的な感染が懸念される。1個の感染確率は以前に0.4%と計算され、原水に1オーシスト/10L の汚染がある場合、2~3-Log(99~99.9%)の除去で、10-6 DALYs(障害調整生存年数)あるいは微生物許容感染リスク10-4/ 年の目標が達成可能とされていた。ところが感染率の高い種や株が存在し、感染確率をUSEPA は10%程度、WHO は20%と新たに提示している。これらを前提としてDALYs と微生物許容感染リスクの目標を維持するには、3~5-Log(99.9~99.999%)の除去・不活化が目標と再計算された。

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© 2020 本論文著者
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