2021 年 53 巻 2 号 p. 73-78
傷病鳥は負傷原因だけでなくその個体の由来に関する情報を提供してくれる.2020年4月に滋賀県草津市で衰弱して救護された1個体フクロウStrix uralensis (Strigidae)を詳しく調べた.外貌の嘴と爪の状態から,飼育歴があると判定した.エゾフクロウS. u. japonica 3個体と本州の亜種フクロウ8個体,そしてキュウシュウフクロウS. u. fuscescens 2個体のサンプルとのミトコンドリアDNAを使った系統解析の結果,本個体は本州亜種あるいは九州亜種である可能性が考えられた.