1978 年 10 巻 1-2 号 p. 70-81
1.本報告は筆者の従来のラインセンサス法の研究報告および解説の中でまだ記載していなかった基礎資料についてシリーズで報告するもので,第I報として記録率の日周変化を扱かった。
2.繁殖期の記録率の日周変化に種類差があるかどうか,滝沢と旭川のデータにもとづいてχ2検定した結果,従来と同様大半の鳥種で有意差がなかった。
3.旭川のデータによって記録率の日周変化パターンを計算した結果,富士,滝沢とほぼ同様の有意な2次回帰曲線を得た。
4.朝夕の微細な照度変化とその時の鳥類の活動状況を調査した結果,緯度標高が異なっても,公式日の出日の入り時刻を基準として,ほとんど差違のないことがわかった。
5.冬期の記録率の日周変化を滝沢で調べた結果,2群の鳥類について異なる変化パターンが得られた。