山階鳥類研究所研究報告
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ミズナギドリ目の北太平洋の分布型と移動
黒田 長久
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1991 年 23 巻 2 号 p. 23-84

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抄録

1983-85年の間,11回の自動車輸出船による日米間太平洋往復鳥調査(研究グループ14名による)で得られた観察記録から,ミズナギドリ目の41種(アホウドリ科2種,ミズナギドリ科29種,ウミツバメ科10種)の洋上分布について,次のようにまとめた。1.亜寒帯から温帯海域への分散型(2種)2.温帯-亜熱帯の広域分散型(a.北半球種3種,b.南半球からの渡来種,5-b参照)3.沿岸分布型(a.日本側5種:ハワイ方面,インド洋などにも分散,b.北アメリカ側5種:他に2種含み留鳥)4.亜熱帯海域留鳥型(a.ハワイ海域特産2種,b.亜熱帯全般型(特に日本-ハワイ間1種))5.亜熱帯以北分散型(a.熱帯種北限分布5種,b.南半球種:b-1.亜熱帯海域まで7種,b-2.温帯海域まで4種,b-3.ベーリング海まで2種)となる。
以上各種についての水温記録(月別)や南半球から渡来の5種についての月別分布移動も図示した。
この研究はトヨタ財団助成金とトヨタ自動車(株)のご好意による,日本郵船,トヨフジ海運,千代田汽船,日本汽船,藤木海運の各社の自動車輸送船に便乗して行われた研究の一部である。なお,この報告は1990年度国際鳥学会議(ニュージーランド)でポスター発表した。

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