東京大学海洋研究所白鳳丸の西太平洋における研究航海中(1992.9.16-12.7),タスマン海でハネナガミズナギドリPterodroma macroptera gouldiが観察された。9月中の航跡上,南緯25度以北では観察されず,10月に入って南緯25度以南のタスマン海で,ほぼ連続して確認され,10月下旬オーストラリア東部の南緯26度30分付近が,最終観察となった。最多個体は繁殖地のあるニュージーランド北島沖のリトルバーリア島近海と,オーストラリア東部沖合の南緯30度付近で観察され,10月の分布域の表面水温は,14°C-24°Cの範囲にあった。又,タスマン海中部で西方に飛翔中の本種が船内に飛来し,保護され,死後,同定計測の結果,成鳥若しくは亜成鳥であることがわかった。