1998 年 30 巻 1 号 p. 22-30
ベーリング海で表層流し網によって捕獲された海鳥類3種(ハイブトウミガラス,ウミガラス,エトピリカ)の胃から線虫 Contracaecum variegatum の第3期幼虫と第4期幼虫を見出し,その形態を記載した。エトピリカは C. variegatum の新宿主である。調べた海鳥はほとんどすべて個体が C. variegatum の寄生を比較的多数受けていた。他の海鳥類から記載された Contracaecum yamaguti は C. variegatum の同種異名と考えられる。また,胃盲嚢部の形態が異常な Contracaecum sp. の成虫をウミガラスの胃から採集し,その形態を記載した。