1.1962年から1965年の間,長野県善光寺平川中島町および篠ノ井市において,オナガの繁殖習性について調査した。
2.営巣について,営巣樹種および巣の位置をしらべ,樹内の位置,地上から高さ,分布などからその成功率をみた。
3.繁殖期間および繁殖回数を産卵日,抱卵期間,育雛期間から検討した。その結果,繁殖期間は5月中旬から7月下旬にわたり,産卵日は平均6月9日であった。また,繁殖回数は年1回と考えられる。
4.繁殖率およびそれにおよぼす原因について,卵期,雛期において観察された現象について述べた。孵化率は68%,巣立率は30.5%であった。
5.抱卵および育雛行動について,産卵状況,雌雄の抱卵時の行動,および雌の在巣率などから検討した。
6.卵について,卵の大きさと重量を測り,その卵形指数,大きさ指数,容量指数を算出して種々な変異を検討した。
7.雛の発育状態を羽毛の発生,嘴,色素,糞の大きさなどについて述べた。
8.雛の成長を,体重,翼•嘴•尾羽•〓蹠の長さについて測りそれについて検討した。