本研究は、のれん計上企業の将来業績の決定要因を明らかにするために、のれん計上企業の将来業績と、追加投資および組織再編前後の財務特性との関係を検証している。主たる実証分析の結果から、翌年の追加投資の効率性に対して当期末のキャッシュ保有量が影響を及ぼしていることが明らかになった。たとえば、キャッシュ保有量が比較的大きい企業が、比較的大きな追加投資を行った場合、比較的に効率的な投資を行っている。また、キャッシュ保有量が比較的大きい企業が、比較的小さな追加投資を行った場合にも、比較的に効率的な投資を行っている。キャッシュ保有量が小さい企業が、比較的大きな追加投資を行った場合には、比較的に効率的な投資を行っている。他方、きわめて小さな追加投資が行われた場合には、キャッシュ保有量に関わらずに効率的な投資が行われておらず、過少投資が行われている可能性を考慮しなくてはならない。