抄録
高炉スラグ微粉末(BFS)は混和材としてセメントの一部を置換することにより,コンクリートの性能を改善できる.また,BFSで置換し,セメントの使用量を減少させることによりCO2排出量を低減できるため,積極的な利用が期待されている.しかし,置換率が大きいほど,初期強度は低くなるという特徴がある.本研究では,初期強度の増進を目標として,エコセメントおよびBFSを結合材,海水を練混ぜ水として,BFSを高含有したコンクリートの強度性状を検討した.その結果,エコセメントと海水を併用することで,海水中の塩分やBFS中の石こうがアルミネート水和物の生成に影響を与え,初期強度を増進させることなどが明らかとなった.