抄録
国の方針では,敷設後65年以上経過した電柱は取替評価の対象とすることにしているが,今後,電力会社の取替施工能力を上回ることが容易に予想されるため,電柱の損傷状態に応じた定量的な取替判断基準の設定が必要である.そのため,電柱の曲げ終局耐荷性能を定量的に把握する必要があるが,敷設実績が多いプレキャストプレストレスコンクリート電柱(以下,PC電柱と称す)でさえ,その耐荷性能や終局状態は解明されていない.そこで,本研究では,実物大PC電柱の曲げ載荷実験を実施し,耐荷性能や終局状態を明らかにするとともに,非線形有限要素解析による再現解析を通して,妥当な解析モデルを検討した.