化学と生物
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【解説】
細胞接着の定量計測に基づく細胞組織の機能解明
組織形成からバイオエレクトロニクスへの応用を目指して
松﨑 賢寿吉川 洋史
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2023 年 61 巻 6 号 p. 269-273

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抄録

細胞接着は,多細胞が関わる組織形成の開始点となる重要なプロセスの一つである(1).その機構の解明を目指して,生物的な相互作用を担うタンパク質が多数同定され,その種類や量が蛍光顕微鏡で精密計測されてきた.しかし,蛍光観察では可視化できない物理的な相互作用(図1a,静電相互作用や疎水性相互作用など)が生きた細胞組織の形成や機能にどう影響するかは未解明な点が多い.そこで本稿では,生物的・物理的な接着相互作用を包括的に可視化できる反射干渉法(原理:第1章)を用いて,細胞組織の形態形成(第2章)とバイオハイブリッドセンサー(第3章)に応用した例を紹介する.

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© 2023 公益社団法人日本農芸化学会
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