開智国際大学紀要
Online ISSN : 2433-4618
ISSN-L : 2433-4618
学校自己評価の協議場面における教師の協働的省察
―教師の省察の変容や相互作用に着目した事例分析―
佐々木 織恵
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2022 年 21 巻 1 号 p. 3-14

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抄録
本研究は学校自己評価における教師の協議場面を分析することで、学校自己評価が教師の協働的省察に繋がっているのか、またその促進要因や阻害要因としてどのようなものが考えられるのかを明らかにすることを目的とする。これまで、教師教育研究において学校自己評価が教師の協働的な省察の機会として機能しているかは着目されてこなかった。学校自己評価が教師の協働的省察に与える影響を知るうえで教師の協議場面の分析は不可欠であり、本研究はこうした点でこれまでにない研究である。結論として、本研究からは学校自己評価における教師間の協議が、教授行為と結びついている前提、仮定、価値、意義についての省察を共有する場として機能していることが明らかとなった。本研究は、学校自己評価を教師の協働的省察の機会としていくために、そうした省察を自ら行うことができるとともに、他の教員のそうした省察を促進する役割を担う教師を育成していく必要があること、また教師に学校自己評価を、新しい価値の創造の場と認識させていく必要性を示した。
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© 2022 学校法人開智学園 開智国際大学
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