開智国際大学紀要
Online ISSN : 2433-4618
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最新号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • - 生活科を中心とした総合学習の実践に着目して-
    小野沢 美明子
    2020 年 19 巻 p. 5-17
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    これまで「教材開発」で意図されてきたものは,子どもの興味・関心を惹く意外性や新奇性,独創性であったり,地域教材のような独自性や固有性であったり,また特定の能力育成に対する教育効果や習熟効果の有効性,そして新たな学習内容・領域の拡張等々であったと考えられる。しかし,教材とは,実際にそこに存在するもの,あるいはその内容を表すといった実体的概念ではなく,関係概念であるとするならば「教材開発」もまた,子どもと教師,教材,そしてそれらが関わる全ての事象の相互関係性の文脈に依存して,社会的,文化的,歴史的な視点から解釈する必要があると考えられる。そこでレイヴ,J.とウェンガー,E.の「正統的周辺参加」論に依拠し,関係概念としての「教材開発」を解釈した。その結果,「教材開発」とは,子どもと教師が教材に関わり実践に参加する動態的文脈において,三者が常に相互交渉を繰り返す中で,教材への関わり方が変化し発展し続ける過程そのものであると解釈されることが明らかになった。その際,生活科を中心とした総合学習の実践事例を通して検証した。
  • -教員養成学部におけるキャリア支援プログラムの構築を目指して-
    寺本 妙子
    2020 年 19 巻 p. 19-33
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    教員養成学部の学生のキャリア意識(人生における多様な役割に対する関心や態度)の醸成を促進するキャリア支援プログラムの構築を目指し,基本情報を得る目的でアンケート調査を実施した。教育学部 1 年生を対象に,時間的展望,アイデンティティ,進路選択に関する自己効力,養護性,次世代育成力について測定し,これらの要因間の関連性について検討した。肯定的な時間的展望が他の要因の高い水準と関連することが示され,肯定的な時間的展望やそれと関連する自己形成の促進の重要性が示唆された。これらの結果を踏まえ,支援プログラムの内容とその評価について考察を試みた。
  • ~TAE によるインタビュー分析~
    得丸 智子
    2020 年 19 巻 p. 35-63
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    学校や語学教室などの教育機関に通うことなく、また、通信教育などの特定のカリキュラムに依ることもなく、独力で日本語を学ぶ「独習者」に出会うことが多くなった。しかし、「独習」はその性質上、個別学習であるため実態をつかむのが難しく、「独習者」を対象とする研究はまだ少ない。本研究では、「独習」により高い日本語力をつけた S さんに個別インタビューをおこない質的研究法 TAE を用いて分析した。S さんは、新しい言語を学ぶときには、まず、教科書を活用して集中的に文法を学習し、その後は、動画や記事など生素材を視聴、読解し、アプリを活用しゲーム感覚で、単語を中心に学習し続けていた。また、S さんは、試験合格や就職などの具体的目標をもって学習しているわけではなく、「人と話すこと」を目的とし、言語学習そのものを楽しんでいた。
  • 二口 和紀子
    2020 年 19 巻 p. 65-74
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では、第二言語としての日本語読解において、ワーキングメモリ容量と読解ストラテジーとの間の関係性を検討した。対象者は、ベトナム人の日本語学習者 46 名で、日本語習熟度は中級程度であった。本調査で、ワーキングメモリ容量を測定する日本語学習者用の日本語版リーディングスパンテスト、読解力を測る 2 種類の読解テスト、使用した読解ストラテジーの種類と頻度を調べる読解ストラテジー質問紙調査を実施した。その結果、ワーキングメモリ容量の個人差によって、使用した読解ストラテジーの種類や頻度に差があるとは言えないということが明らかとなった。これを基に、ワーキングメモリ容量が小さい日本語学習者が様々な種類の読解ストラテジーを高頻度で使用すると、ストラテジーを使用することにワーキングメモリ容量を割くことになり、文章理解につながらない可能性があることが示唆された。
  • 八尾坂 修
    2020 年 19 巻 p. 75-86
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    アメリカにおける教育長の養成・研修に着目すると、歴史的に免許資格と養成、更新・上進制の連結が特徴的である。免許資格要件の特徴として以下の点を見出すことができた。①発行される免 許状は包括的な行政免許状あるいは教育長固有の免許状である。②博士号あるいは教育スペシャリスト学位(博士論文を提出する必要のない准博士号)取得の要請。③教職経験や行政経験を要求しているのが歴史的特徴。④インターンシップ充実への州間差異。⑤教育長独自のテストを要求する州の存在。⑥上進制を導入する州(10 州)のなかで更新を認めず上位の免許取得を求める州の存在。⑦伝統的な大学院養成プログラムに対して州教育長会のような専門職団体、民間によるオルタナティブ養成・研修の存在。教育長養成プログラムの課題として、ア.入学募集、選抜、入学、イ.プログラムの目標・哲学、ウ.養成の核となるコースカリキュラム内容、特に実地体験の重視、エ.テニュア教員の存在といった基本的な視点、要素を共通認識して高める質保証が養成関連機関に求められる。
  • 土井 雅弘
    2020 年 19 巻 p. 87-97
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    「特別の教科 道徳」が小学校に続いて中学校においても全面実施された。道徳教育の抜本的な改善・充実を実現するためには、道徳科の授業の一層の充実を図らなければならない。 道徳的価値の自覚を図り、自己の生き方・人間としての生き方を考える道徳科の授業を充実させるためには、徹底して「考え、議論する道徳」、「主体的・対話的で深い学び」のある道徳の授業にすることが必要である。それには、「議論する」や「対話的な学び」という表現を、生き方を考える道徳の授業に相応しい「対話」という用語に置き換えて、対話を重視し、子供達がひたすらに考える授業を展開することが重要であると考える。 本稿は、道徳科の授業において対話を重視することの意味と必要性を明らかにし、その授業の在り方をイメージしようとするものである。
  • 鳥越 淳一
    2020 年 19 巻 p. 99-110
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    本論は,カンバーグが発展させた対象関係論をベースに米国で開発された転移焦点化精神療法 Transference-Focused Psychotherapy(TFP)を概観し,日本の臨床に導入する際にどのような文化的修正が必要になるかの研究的展望を論じたものである。TFP は,境界性パーソナリティ障害の治療のためにデザインされた力動的精神療法であり,「実証的に支持された療法(EST)」(APA・アメリカ心理学会)としてリストアップされている。境界性パーソナリティ障害を有する患者の破壊的行動(自傷行為や自殺企図など)の減少に有効である他,リフレクティブ機能が向上することが実証されており,日本で既に実践・研究されている DBT(弁証法的行動療法),SFT(スキーマ焦点化療法),MBT(メンタライゼーション・ベースド療法)と並んで効果的な精神療法とされている。対面式で週2回ないし 1 回の面接を最低 1 年間継続するという面接形式は現代日本の臨床実態にも合っており,形式的には導入可能かもしれない。しかし,日米のセラピストのトレーニング形式の違い,文化差,および各文化特有の対人関係における考え方,感じ方,振舞い方の違いは,TFP が治療ターゲットとしている境界性パーソナリティ障害の病理の捉え方に影響を及ぼすかもしれず,今後日本の臨床により適合するような文化的修正の研究・検討が必要になると思われる。
  • 鳥越 淳一
    2020 年 19 巻 p. 111-120
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    本論は拒絶感受性(RS; rejection sensitivity)に関する,近年の海外の研究動向をレビューし,今後日本における RS の研究展望について明確にすることを目的としている。RS は拒絶の手がかりに対して,不安気に予測し,すぐに知覚し,強烈に(否定的に)反応する傾向と定義され,この20 年間,海外では様々な視点から研究がなされてきた。しかし,心理学的研究のデータベースで確認する限り,日本ではさほど多くの研究はなされていない。アメリカを中心とする海外では,近年,神経画像研究の進歩も相まって,RS は特定の精神疾患や精神障害の中核特性として研究され,高RSを有する人と低RS を有する人では脳の機能の仕方が異なっていることが分かってきている。そのような違いは,精神病理間の質的な違い,ひいては,効果的な治療計画,治療過程(治療的介入),治療結果(予後)を検討する重要な指標となると考えられる。たとえば,非定型うつ病の一種である,いわゆる“新型うつ”と呼ばれる難治性のうつ病にはパーソナリティ障害が関与していると考えられており,うつ病およびその亜型とも目される境界性パーソナリティ障害を通して確認できる RS を治療ターゲットとすることで,新たな理解が生まれるかもしれない。また,RS の変容プロセスは,治療プロセスにとっても示唆深く,技法や理論にも新しい視点が導入されることが期待される。このように,精神病理のリスク因子,治療評価,予後の予測因子として幅広く検討が可能な RS が,今後,日本においても有用な臨床概念の指標として研究され,活用されていくことが期待される。
  • 符 儒徳
    2020 年 19 巻 p. 121-138
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿では,情報セキュリティの特性などを踏まえつつ,情報セキュリティ教育の現状を俯瞰し,文系の国際大学における情報セキュリティの課題について考える。また,多くの大学で情報リテラシー教育の一環として情報セキュリティ教育が行われていることに鑑み,情報リテラシーを含む情報教育について考察し,1つの有用性の高いモデルの導入を提言する。さらに,情報セキュリティ意識向上のための啓蒙活動や情報教育が必要とされていることが示唆されている。そのため,情報セキュリティなどの情報教育は組織的な教育体制の構築が必要かつ重要である。
  • 石田 修一
    2020 年 19 巻 p. 139-166
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    「文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」が平成30年12月に文化庁から示された。このガイドラインが示されたことによって,現場の指導者たちから「これでは今までの演奏レベルを維持することができない」と心配する声が聞こえてきた。 管打楽器は楽器を持ったその日からメロディーを演奏することや,友人と合奏の喜びを味わうことはできない。楽音が出るまで地道な努力が必要である。そのためにはある程度の時間が必要である。その時間が「ガイドライン」によって短縮され,「演奏のレベルダウンはしかたがない」とあきらめてしまう指導者が増えてきた。 本報告・資料は「文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」に基づいて、限られた時間を有効に使い,今までより短時間で子どもたちが演奏技術を習得し,成長する新しい指導法について小学校,中学校,高等学校各吹奏楽部で試行した結果をまとめたものである。
  • 得丸 智子
    2020 年 19 巻 p. 167-175
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    TAE(Thinking at the Edge)は、ジェンドリンとヘンドリクスがフォーカシングを発展させて考案した意味感覚(フェルトセンス)から論理システム(理論)を構築する方法である。筆者は、主に日本と台湾で、TAEの紹介と普及をおこなってきたが、その過程で多くの困難に直面した。 ジェンドリンの暗在性哲学に由来する概念の理解が難しいこと、TAEの全体イメージがつかみにくく各手順の機能がわかりにくいこと、手順が 14 ステップあり煩雑なことなどである。筆者は、これらの困難に対処するため、概念理解を助けるためのワークを考案したり、書き込みながらTAE手順が進められる「TAEシート」を開発したりしてきた。近年は、ウェブサイトを開設し、 「TAEシート」を公開しダウンロードできるようにしている。また、最近は、筆者の洞察を加えたTAE手順を3パートに分割した形式「3パートTAE」で紹介することにより、より多くの人にTAEが理解されるよう努めている。本稿では、これらの活動を報告する。
  • ~リスク認識について~
    符 儒徳
    2020 年 19 巻 p. 177-192
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は,国際大学における日本人学生と留学生を対象にしたコンピュータ・リテラシー調査と情報セキュリティに関する意識調査を実施した結果について報告するものである。コンピュータ・リテラシーに関するアンケート調査の結果では,これまでの先行結果と概ね整合している。また,概して個人属性やパソコン習熟度によって情報セキュリティ意識に差異が確認された。さらに,パソコンの習熟度の低い学生は,情報セキュリティ意識向上のための動機付けやコンピュータ・リテラ シー向上の情報教育が必要とされていることが本調査から示唆された。
  • 今村 健太郎
    2020 年 19 巻 p. 193
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
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