土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
段波津波による船体に作用する波力に関する実験的考察
榊原 繁樹砂原 俊之田中 博通阿部 郁男久保 雅義津金 正典
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2016 年 72 巻 2 号 p. I_1075-I_1080

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抄録

 東北地方太平洋沖地震津波来襲に伴い係留事故を生じた大型船の被災事態調査につき,関係者へのヒアリング,津波及び船体動揺シミュレーションにより定量的な被災実態の究明を行ってきた.これらの検討から船体に作用する津波波力を推定することは難しく,その適切な評価方法を確立することが津波来襲時の船体挙動を推定するため,さらには津波対策立案で重要となることがわかってきた.そこで本研究では,係留船に作用する津波波力について,S港で津波高さ9m超の来襲により被災した9万トン級大型石炭船をモデルに,段波津波が作用する場合の実験的検討を行った.津波水平波力は水位変動及流速によく一致し,抗力項及び慣性力項に分離することでモリソン式で概ね推定できることがわかった.ただし当該抗力係数にはさらなる検討を要する.

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