2016 年 72 巻 2 号 p. I_1681-I_1686
ツバル国フナフチ環礁フォンガファレ島のラグーン沿岸から流出する人為的な汚濁に対する効率的な対策実施に向けて,汚濁排出対策実施区域の選定に関する数値的検討を行った.汚濁排出量の空間的変化を家屋分布から推定するとともに,汚濁排出対策の実施区画に関してフォンガファレ島内を3区画に分割し,全6ケースの対策実施案を検討した.環礁内を6つの小領域に分割してそれぞれの領域での汚濁量の変化について検討したところ,小領域ごとで対策案の効果が異なっており,汚濁量の減少を目指す領域を限定することで対策実施家屋数を抑えられる可能性があることがわかった.また,対策実施の効率に着目した対策効率係数による検討結果から,フォンガファレ島中部の家屋密集域で対策を実施することが効率的な対策であることがわかった.