土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
海洋レーダおよび定点自動観測によって得られる異種データの4次元変分データ同化
岡田 輝久入江 政安桑田 岳治西田 修三
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2016 年 72 巻 2 号 p. I_505-I_510

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抄録
 本研究では,海洋短波レーダにより観測された表層流速,および海底に設置されたADCPにより観測された流速鉛直分布の異なる2種のデータを4次元変分データ同化法により3次元流動水質モデルに同化し,その影響を評価した.観測領域の重なる近傍点においても両データの相関は低く,異なる値を示していたが,4次元変分法を用いることで,両データを統合した連続場を作成することが可能となった.
 海洋短波レーダによる表層流速の同化では,中層から底層の再現性が悪くなる傾向があったが,ADCPによる流速鉛直分布と共に同化することで,この問題を抑制することができた.また,流動構造の変化は,水質モデルにも影響を及ぼし,底層DOの再現分布を変化させた.このことから水質場の再現・予測に対する,複数データを同化した再解析データの有用性が示唆された.
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© 2016 公益社団法人 土木学会
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