土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
堤防残存と樹木を取り入れた地形変化計算と陸地残存に関する数値実験
浜口 耕平原野 崇諏訪 義雄二階堂 竜司中園 大介原 文宏
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2016 年 72 巻 2 号 p. I_745-I_750

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抄録

 東日本大震災の津波によって甚大な被害を受けた陸前高田の高田海岸において,大規模な地形変化が生じ砂浜が消失したが,堤防が一部残存した西部では,陸地が残存した.そこで陸地残存を再現することを目的として,陸前高田の松原の樹木の根の侵食抑制効果とそれを囲む二線堤の被災条件を変えた津波浸水計算及び地形変化計算による数値実験を行った.計算上では二線堤が残存したことが,高田海岸の陸地の残存に大きく影響し,陸側の堤防のほうがより大きな効果があると示された.また,効果には限界があるものの,陸地残存への樹木の根の効果も確認された.これらの結果は,堤防が一部被災した場合でも,減災効果が期待できること,幹折れした樹木においても残存した根が減災効果を発揮することを示唆する結果となった.

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© 2016 公益社団法人 土木学会
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