土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
日本に上陸する台風の強度に関する将来変化の統計的特性
豊田 将也吉野 純小林 智尚
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2018 年 74 巻 2 号 p. I_1339-I_1344

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抄録

 本研究では,2000年~2017年までに日本に上陸した台風49事例を対象に台風強度の将来変化の統計的特性を評価することを目的として,高解像度台風モデルを用いた擬似温暖化実験(CMIP5 RCP8.5シナリオ:2080年~2099年)を行った.その結果,将来気候下の台風強度(最大風速)は,現在気候に比べて,ピーク時も上陸時も共に増大する傾向(+18.1 m/sおよび+6.88 m/s)にあることが明らかとなった.また,上陸地域(東日本,西日本および九州),上陸強度(弱い勢力および強い勢力)および上陸季節(春季・夏季および秋季)の3つの観点から現在気候下の台風を分類し,上陸時の最大風速の将来変化について比較した結果,将来気候においては,「西日本」や「九州」に上陸する「春季・夏季」の「弱い勢力」の台風が特に強まりやすいことが明らかとなった.

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© 2018 公益社団法人 土木学会
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