海草場ではアマモ等の成長に伴いCO2が吸収されつつ,同時に地上部や地下部の海草生物体の更新により,生物体の一部が海底に炭素ストックとして貯留される.そのため,CO2の吸収源となり得る海草場等のブルーカーボン生態系が注目されている.しかし,海草場内において流れの影響を考慮しつつCO2の移流拡散を高精度に検討することは困難であった.海草を効率的に利用して炭素を貯留するためには,そのような複雑な波・流れと海草の相互干渉を考慮した解析を行う必要がある.本研究では,アマモが波・流れ場に与える影響を明らかにすることを目的とした.一様流場におけるせん断力を求めることで,アマモによる流れ場への影響が大きいことが分かった.波動場で波の進行方向と一致する進行流と逆方向の補償流が周期的に発生し,その間隔はアマモのモード数に関連することが分かった.