本研究は,液滴の着水を伴う気液二相流計算にphase-fieldモデルを導入し,液滴着水現象に伴う気液間の界面更新機構について議論するものである.液滴落下に伴い気相に発生する組織渦に加え,液滴着水後生成されたキャビティの振動に誘発された渦輪及び鉛直交互交代渦対から構成される3次元渦構造が気液界面を介した両相に形成される.液滴界面はこれら渦中に捕捉され,渦の自己誘導による水中へ輸送される質量輸送メカニズム及び界面更新過程の特徴が明らかになった.これらの結果は,渦構造は界面境界層内の移流拡散過程を支配し,気液間の熱,気体,水分等の輸送を促進することを示す.