2020 年 76 巻 1 号 p. 1-6
1990年以降に土木学会論文集より出版された東京湾,大阪湾および伊勢湾の三大湾を対象とした高潮の最大潮位偏差推定に関する論文をレビューし,各湾毎の最大クラスの高潮を対象に,現在気候と気候変動を考慮した将来気候における最大潮位偏差についてまとめた.これまでの三大湾の高潮の最大潮位偏差についての研究成果のアンサンブル平均を求めた結果,現状の海岸保全施設設計の最大潮位偏差に対して現在気候で同等もしくは若干小さいが,地球温暖化が進行した世紀末ではこれを上回ることを明らかにした.