2021 年 77 巻 2 号 p. I_1-I_6
ピストン型造波機を有する造波水路を用いた水理実験において,水路内の任意地点に任意波形の集中波を発生させるための手法を,線形造波理論による周波数応答関数およびインパルス応答関数を用いた線形システムの理論に基づいて提案した.本手法によって求めた造波信号を数値波動水槽CADMAS-SURF/3Dの入力値として用いた計算結果と比較した結果,時間波形には非線形性の影響が見られるものの,十分実験に利用できることがわかった.本手法は,水理実験のみならず,近年設計にも多用されるようになった数値波動水槽での任意波形の造波にも応用できる.