2021 年 77 巻 2 号 p. I_175-I_180
本研究では,従来より国内で広く用いられてきたロジックツリーアプローチを用いた確率論的津波ハザード評価手法のうち,主として地震断層の滑り分布の設定手法,および,偶然的不確定性の考え方を刷新することで,より説明力の高い確率論的津波ハザード評価手法であるcoRaL法(a method of incorporating Random phase model into Logic tree approach)を提案することを目的とする.南海トラフ巨大地震による津波襲来のリスクが想定されている太平洋沿岸に位置する都市を対象として提案手法を適用し,確率規模毎(150年,500年,1000年,2500年等)の津波浸水深分布や,同一の確率規模でも,津波ハザード評価の不確定性を考慮したパーセンタイル毎の津波浸水深分布を評価可能であることを示す.