土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
津波来襲時の係留船とドルフィンの連成運動解析手法とその適用
榊原 繁樹阿部 郁男砂原 俊之久保 雅義津金 正典
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2021 年 77 巻 2 号 p. I_283-I_288

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抄録

 東北地方太平洋沖地震津波により港内で被災した大型係留船の状況,及び津波来襲前の地震動に起因する係留索の切断や巻き出し,ドルフィンから弾き出される程の船体運動が誘発する事例に関して,従来の係留船の動揺シミュレーション手法を拡張して被災状況の検証を行ってきた.しかし津波来襲時に急激に発生する船体運動に伴い,係留索の切断や巻き出しのみならず,桟橋設置の全ての防舷材が破損して船体が桟橋に接触する被災事例の検証は詳細には行えていない.本研究では,係留索や防舷材を介して誘発するドルフィンとの連成振動及び防舷材が破損して船体がドルフィンに接触する状況まで扱える船体動揺シミュレーション手法を新たに構築した.そして被災状況再現で用いた津波外力を流用して,津波来襲時の係留船とドルフィン連成運動の適用事例を紹介する.

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