土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
初期配置による漂流物挙動の不確実性に関する研究
盛田 理子渡部 真史有川 太郎
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2021 年 77 巻 2 号 p. I_313-I_318

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抄録

 津波来襲時には,構造物だけでなく,多くの人が流され行方不明者・死者の増加につながる.施設の保護・人命救助の観点から,津波来襲後の漂流物の挙動と漂着範囲を予測することが重要である.しかし漂流の挙動はばらつきが大きく,漂流物の不確実性に関する研究は多く行われているが,未解明な部分が多く,数値計算での再現精度は高くない.本研究では,漂流挙動のばらつきに関する検討として初期位置の違いが漂流挙動に与える影響について実験的検討を行った.また,漂流距離が大きくなるにつればらつきの度合いが大きくなることを確認し,本実験における距離と流下方向に対し垂直方向のばらつきの関係式を示した.数値計算において,ばらつきはあるものの,流下方向に関しては実験値の平均と概ね一致することを確認した.

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