2021 年 77 巻 2 号 p. I_433-I_438
混合粒径の底質で構成された海岸にあって強い風の作用を受ける場合,細砂・中砂が飛砂として選択的に海岸背後地へと運び去られ,前浜には粗砂・礫が取り残される現象が生じる.本研究では,この種の現象を再現することが可能な,波による漂砂と飛砂を同時に考慮した混合粒径海浜の変化予測モデルを構築した.その上で,モデルの妥当性を検証するために,波の遮蔽域を有する海岸でのモデル計算と,千葉県の稲毛海岸を対象とした再現計算を行った.計算結果は,現地状況と良い一致を示し,モデルの有効性が確認された.