2022 年 78 巻 2 号 p. I_1033-I_1038
本研究の目的は,AIとSentinel-2(S2)データを活用して高頻度のHimawari-8(H8)データから疑似的にS2画像を作成し,有明海・八代海の高頻度赤潮予測を行うことである.まず,Pix2Pixと呼ばれるAI手法を使って,S2とH8の関係を学習させた後,任意のH8データから疑似S2が作成された.次に,CLSTMと呼ばれるAI手法を使って,直前3日間の疑似S2から翌日の疑似S2が作成された.これらの連続したAIから導かれた「予測画像」と予測日に取得された「正解画像」の赤潮細胞数の誤差は,平均±標準偏差は-0.82±2.87(対数ベース)と計算された.本研究より,Himawari-8データのみから高頻度・高感度の赤潮推定・1日後予測が可能となった.最後に,本手法を使った同海域における赤潮予測システムのモックアップを作成した.