2022 年 78 巻 2 号 p. I_1045-I_1050
本研究では津波後に撮影された航空写真に対して畳み込みニューラルネットワークによる地表物分類を適用し,その津波瓦礫判別への有効性を検討した.宮城県5地点および岩手県5地点の計10地点について,2011年津波直後に作成されたオルソ画像からサンプル領域を抽出した.目視判別によりこれらの画像上の地表物を瓦礫,植生,道路,建物,その他の5つに分類し,これをもとに作成した教師データによりネットワークの学習を行った.およそ10m2程度のイメージサイズにより,代表的な地表物の画像上の特徴を捉え,良好な精度で判別可能であることがわかった.その他の分類の取り扱いや,複数の異なる地表物が混在する領域での地表物判定法に課題はあるものの,畳み込みニューラルネットワークが津波瓦礫判別に有効であることがわかった.