2022 年 78 巻 2 号 p. I_301-I_306
本検討では南海トラフ地震を対象として,地震発生直後の水位データから三重県A町に到達する津波到達時間を機械学習を用いて瞬時に予測した.予測誤差比較を地震の規模ごとのモデルと用いたすべての地震の規模のデータを用いたモデルで行った.地震の規模ごとに差があるものの,教師データ数を増やすごとに誤差の減少傾向がみられたことから,地震の規模ごとに最も誤差が小さかったモデルを用いて津波到達時間予測誤差比較を行った.本検討で用いた初期水位と津波到達時間の場合,多くの地点において5分以上予測値が過大評価となっていたMw9.0に比べ,教師データが増されたMw8.6における予測は過大評価が改善された.また,教師データを異なる規模の地震シナリオとした時の予測精度について評価した.