2022 年 78 巻 2 号 p. I_517-I_522
茅ヶ崎海岸では,後浜において盛り土養浜が行われている.既往の地形変化予測モデルでは,波の作用により盛り土が削り取られて汀線へと供給される現象を,水面下での砂の湧き出し方式で表現しているが,実際には浜崖後退に伴って土砂が供給がされることから,両者に物理的な相違があった.本研究では,土砂の湧き出し範囲で盛り土の限界高さを超えて堆積する土砂を沖側の計算点に移す方式をBGモデルに組み込んでモデル化し,茅ヶ崎海岸の沿岸方向6km,岸沖方向2.6kmの区域にこのモデルを適用した.また,2019年10月12日に襲来した台風19号に伴う高波浪による急激な沖向き漂砂による地形変化を,平衡勾配の変化としてモデル化し,計算を行った.計算結果は,実測地形変化とよい一致をみた.