2022 年 78 巻 2 号 p. I_613-I_618
将来的な海面上昇が懸念される昨今,越波流量低減のための護岸の改良が全国港湾で喫緊の課題となっている.既設護岸の改良は,背後地の使用状況に依って前面の護岸の堤体高が制限される可能性があり,その場合の対策工としてパラペットの追加設置(ダブルパラペット)が越波流量の低減に有効である.しかし,パラペット間(ポンディング)に溜まる越波水の貯水状況とそれに対する後部パラペットでの越波流量の変動特性については研究事例が見当たらない.そこで本研究では,ダブルパラペット式護岸を対象に断面2次元及び3次元の水理模型実験を実施して,ポンディングにおける排水性能と越波流量の関係に着目した越波流量の変動傾向を検討する.さらに,複数の追加工法を実験的に設置して,各工法での越波低減効果を検討する.