2022 年 78 巻 2 号 p. I_7-I_12
離岸流や海浜流は水難事故や海浜変形を理解する上で基本となる現象である.離岸流の動態や形態,特にセル構造の成因についてはいまだに未解明である.これらの現象を実験で制御することが極めて難しいことから数値計算手法によって平均場を求める方法を工夫して離岸流,海浜流の時間平均場を時々刻々と算出する手法を適用して海浜流の動態を抽出することを試みた.その結果を示すとともに既往研究との比較を行った.入射波は汀線に直角方向に限定し,地形も沿岸方向に一様とし,規則波を1時間程度作用させて沖向き方向の海浜流の生成を確認した.離岸流セルの発生間隔が既往研究と一致すること,ウェーブセットダウンによるに水面変動を確認した.