2022 年 78 巻 2 号 p. I_91-I_96
極大波高の空間的従属性は,気候変動による台風の強大化のためリスクが集積する観点から,防災・減災計画に考慮されるべきである.その際に,同一の気象擾乱による高波の極値が同じ年の年最大値になる割合として定義される合致率という指標が役に立つだろう.2変量極値の依存特性を整理した上で,導入する階層モデルが,2変量から3変量へと交差生起率を拡張する場合に,新たにパラメータを追加する必要が無い最も単純なモデルとなることを示した.3港の高波記録への階層モデルの適用例を提示するとともに,Husler-Reissモデルと比較した.